現代従者学概論・その2


さてさて。昨日は実際にコンセプトを決めるまでのベースについて大体纏めたので、これでおおよそ下拵え完了。いよいよ2回目からは具体的なコンセプトの模索に入ります。

今回は一番オーソドックスな従者をアタッカーについて用いるパターン。ま、オーソドックスだからこそ色々考えた方があるのですがね。

なお誰得と言えば、まずまとめ考察と勉強になってボクが得をします。よって何処に需要があるのかわからないグダグダな考察を自重せずに書き連ねていきます。

はじめに

基本的にコンセプトを存在するメリットを強調orデメリットをフォローするという形で考えていこうと思います。よって先日のおさらいを兼ねて主なメリット&デメリットを列挙。

1)攻撃機会を増やせる。
2)敵の足止めなど、戦場のコントロールに使える。
3)最低保証のカバーリング1回など肉壁として活用できる。

4)1回の攻撃ないし行動が軽くなる。
5)従者は一旦倒されてしまうとそこで終わり。デフォの従者はとても脆い。

この辺りをその1で提示したベースラインに追加エフェクト2個程度でフォローしていく方向で具体例を作っていこうと思います。

単純アタッカータイプ


まずは分かりやすく1)の強化です。ですが5)をフォローすることによって間接的に1)を実現する考え方もあります。従者自体は1体でも戦場に残り続けることが期待できるなら十分に手数を確保している事になりますから。
基本的な攻撃手段ですが、手数で勝負するなら取り回しが良い攻撃手段を選ぶ事を推奨します。条件を満たす例としてブラムで用意するならば取り回しの良いRC攻撃である≪紅の刃≫、他所からならバステの硬直を利用して立ち回れるオルクスの≪茨の戒め≫、一気に装甲無視まで付けられるソラリスの≪絶対の恐怖≫orハヌマーンの≪振動球≫、かなり不自由ながらまとまった攻撃力を獲得できるサラマンダーの≪プラズマカノン≫、ブラックドッグの≪雷の槍≫など。ぶっちゃけ限られたエフェクト数でパフォーマンスの良いRC系*1がお勧めです。


では以下より具体的な方針とそれに従ったエフェクト取得例を提示していきます。

  • ≪血の絆≫1Lv

別にここから応用させろというパターンではありません。シンプルイズパワー、従者に依存し切りません。余計な手番は使わず倒れたなら倒れたで結構、むしろあぶなかったら肉壁に。上手く行けば手数が確保できて肉壁1枚発生保証、≪赤色の従者≫込みでエフェクト2枠費やす価値はあるだろう。
……こういう割り切りもかなり大事だと思います。ここは現代従者学概論なのでこれ以上本体の構築に関して言及はしませんが、煮詰まったらこの辺りに立ち戻ってみるのもいかがでしょうか?何事も割り切りと見切りは大事だってあたりでひとつ。

  • ≪声無きものども≫1Lv/≪血の絆≫2Lv

≪愚者の軍団≫の使用はお勧めしません、その1で軽く触れたように自分の手番を使った上に従者が[行動済]からスタートしてしまうためです。ともあれこれでようやく2体目の従者が運用できます、他のことは一切考慮されていません。それぞれもう1Lv上げる余裕があるなら(初期コンストでは既に足りないはずだが)3体目に手が届きます。隠れたメリットとしては戦況が許すなら100%を越えた時点で≪声無きものども≫のLvが上がり、追加の1体が呼び出せることでしょうか。
デメリットは従者を潰しに来られたときへの対策を放棄していること。4)のデメリットもモロに受けます。BOSSが何かしらマトモなリアクション行動を始めたらタイタスの使用を視野に入れ始めましょう。よって環境的にもし余裕があるのなら*2まずこれらのデメリットを打ち消す方向を模索する事をお勧めします。
例えば≪灰色の庭≫などでイニシアチブを確保、フォーメーションを整えて狙われにくくする。あるいは4)への対策を兼ねて従者の能力値を上げる≪赤河の従僕≫もこれに含まれます。
また低予算で従者の安全を確保する手段として≪軍神の守り≫などのカバーリングエフェクトを取得、従者を本体が庇うという手段が取れます。現状の記述を見る限り本体が一旦倒れても従者は残るっぽいですし。従者を従者で庇わせる、他の危ないPCを助ける緊急避難、など3)の強みを発展させる意味でもカバーリングエフェクトはお勧めのひとつ、多くで割愛していますが非常に便利なので以降の例でも度々応用できます。

  • ≪緑の鞭≫or≪光の剣≫1Lv/≪炎神の怒り≫2Lv/≪リフレックス:サラマンダー≫2Lv

分かりやすくリアクション能力を付けてみたパターンです。従者は1体しか使えませんが基本的に戦場に残り続けてくれるなら十分な手数の確保と言えるでしょう。ネックは≪血の絆≫が無い以上、結局自分の手番は1回使ってしまう点。スタートダッシュは遅れます。もっとも≪炎神の怒り≫はネックのダイス数まで確保できるのでかなりグッド、デメリットを補える程度にはバランスの良いタイプと言えます。武器選択は呼び出した後さらに移動に手間をかけるとせっかくの手数が台無しになってしまう点の懸念ゆえです。アグレッシブに太く短く生きることを決意するなら≪電光石火≫に≪フレイムリング≫から≪先手必勝≫や≪吼え猛る爪≫などに発展させるという選択もないではありません。
なおこの場合これで攻撃手段も確保できているのでここまで初期コンストで実現可能です。攻撃力を大幅に犠牲にしてでも≪血の絆≫を確保するかどうかはPLさん次第*3。もちろん環境的に余裕があるならさっさと抑えることが推奨されます。

  • ≪茨の戒め≫1Lv/≪完全なる世界≫2Lv/≪領域の盾≫2Lv

4)のネックを考慮したパターンです。ドッジのCLは+1されますし同時にダイス数も確保、流石100%です。その1の序論は無視していますがこの手の話に例外は付き物です(ぉ 必然シンドロームが確定していますので、もうひとつは他人にカバーリングしてもらう≪領域の盾≫を選択してみました。プレイの前に必ず隣のPLさんに頭を下げてお願いしておきましょうw このあたりは発想にしたがって応用可能、ただし5)のネックがありますので出来るだけ従者を護る方向のものが望ましいです。なお余裕があったら≪血の絆≫はそろそろ耳タコっぽいですので以下略、以降でも割愛します。
このパターンの最大のネックは侵食率が重いこと、これだけで1回の行動に9点ばかり侵食率がかかります。普通なら9点は標準やや低めですが、従者使いは手数が増えている事をお忘れなく。1R18点見込みはそろそろ危険域を越え始めています。対策としては単純に≪完全なる世界≫を使うペースを考えること、これが1回6点と2/3を占めているので使いどころを見極めればきちんと管理できるはずです。

  • ≪渇きの主≫1Lv/≪破壊の爪≫3Lv/≪軍神の守り≫1Lv

今度は攻撃力の面において4)のネックを考慮したパターンです。HP回復効果はオマケですねw 環境的に余裕があった場合の強化の方向としてここぞで避けられないための≪獣の王≫、攻撃力を効率的に上げられる≪ターゲットロック≫、あわよくば攻撃を防ぎきれる≪イージスの盾≫or≪竜隣≫、ダイス数を効率的に補填できる≪完全獣化≫などが上げられます。まあおよそキュマイラのシンプルな力強さにおんぶに抱っこという方針w ネックはやはり若干スロースターターなあたりでしょうか。しかしながらきちんと従者を守る当てがありますし、移動の面も呼び出す前に本体が敵にエンゲージしておければ問題ありませんのでこれもかなり安定感のあるパターンでは無いかと思います。まあ、わかりやすくハズレが出にくいといいましょうか。

  • Ex:あまり考えてはいけないこと

ゆ〜、れねげいどび〜いんぐになって、てっとりばやくたっせいちにぼーなすかけちゃいなよ!!
読みにくいのは仕様です(ぉ 別に使用回数に制限が無いし≪融合≫と違って従者へのエフェクト委譲にほぼ制限が無いので複数体が使えば効果倍増です。なお最後の素手白兵パターンに≪オリジン:アニマル≫を重ねるのも大変効果的ですね。ただ……
建前/PCの設定を大幅に縛る強化方針は出来れば提示したくないところです。
本音/効率よく弱点を補填しており、どこかお手軽感が拭えず釈然としない。



というわけで今回は単純に本体+従者の手数を利用して火力を出すシンプルなアタッカータイプを提示してみました。仔細は好み次第でいくらでもアレンジ&応用が可能でしょうね。
なおこのタイプは本体も攻撃参加します。よって出来る限り有利な能力値を作りたいところです。実はその1でトライを推した理由がこのあたりにあったりします。地味な利点ではありますが、トライは3つ選択したシンドロームの中から任意の2つを選んで能力値を作れます。ぶっちゃけこだわりが無ければブラムをオプショナルにしてしまっても全然アリです。どうせエフェクト取る余裕無いけど能力値のために有利なシンドローム取ってトライを選んでも全然アリです。このあたりは別に従者使いでなくても場合によっては考えてみて良い利点かもしれませんね。能力値上げたりダイス確保にエフェクト取るのにも洒落にならないリソースが飛ぶご時世ですからw


全般として言えることは欲張らないこと、でしょうか。初期作だとピーキーな作りゆえに相性の悪い相手が必ずと言って良いほど存在してしまいます、それは覚悟して受け入れましょう*4
その1から繰り返しますが従者がどれくらい持つか、ということに関してはかなりシビアに見積もっておいてください。従者が潰されれば少ないエフェクトで攻撃するだけの脆弱な本体が残るのみです。例えば1体が1回攻撃して潰れるくらいなら最初っから追加行動系の切り札エフェクトを使った方が強いです。これの対策として言及したとおりカバーリングエフェクトはかなり安定です。なお、ほぼ気をつけようがありませんが≪極大消滅波≫などが来た日には天でも仰いで涙を堪えてください。従者1体*5で≪極大消滅波≫が誘発できたのだ、皆の犠牲が軽減できた、とポジティブに考えられれば一流の従者使いですw


今日の辺りはここまで。次回はアタッカータイプの続きとして適当な支援が混ざったり、2)のメリットを強調したりと言った搦め手に走った応用例などを考えて行きたいと思います。

*1:まあ≪絶対の恐怖≫はRC系ではありませんが

*2:キャンペーン時の成長方針にもつながります

*3:もっともどうせ従者は1体ですし、本体はアイテムで補うと思えば無しではないです

*4:何、初期作環境だとどうせ大半のコンセプトが引っ掛かる問題ですw

*5:複数体だとホントに目が当てれんがw