今シーズン感想・野手陣編

さて、いいシリーズを見て刺激を受けたので一気に書いてしまいましょう、これで今シーズン感想も締めくくりにございます。


突然ですが以下のオーダーをご覧下さいな。

1柴原(率.333、11盗塁)/ライト
2川崎(率.294、30盗塁)/ショート
3井口(率.340、27HR、42盗塁)/セカンド
4松中(率.324、30HR)/ファースト
5城島(率.330、34HR)/キャッチャー
バルデス(率.311、26HR)/レフト
ズレータ(率.266、13HR)/DH
村松(率.324、32盗塁)/センター
9鳥越(率.212)/サード

これは2003年時のホークスのベストメンバー、怪我さえしてなければ鳥越の代わりに小久保が入るものとお思いください。これが2003年時、日本一を極めた時のホークス野手陣でした。

まさしく最強と呼んで差し支えないくらいの打線、しかしここに将来への、つまりは現在の貧打の遠因が含まれているのです。彼らの大半はずっとまだ芽の出ない二流以下の頃から、ホークスが弱かった頃からスタメンを張り続け成長を続けてきたメンバー。彼らの成長はそのままホークスが強いチームへと成長していく過程でもありました。この2003年はそれが完全に結実した年としてホークスファンをやっていて格別に幸せな年だったといえましょう。

しかし、弊害として完璧に整ったスタメンは若手が上に上がって経験を積む事を阻害するのです。大体において自分の結果がそれほど良くなくてもチームは勝ててしまう、そんな状況で向上心が刺激されましょうか。そして2004、2005と世の必定とは言いながらも“ベストメンバー”は櫛の歯が抜けるように落ちていきました、仕方ないとはいえちょっぴりメジャーリーグを恨んだりしても仕方ない話ですよねw

ともあれ急速な戦力*1の低下に伴い、また外部からの補強にも限界が見える今シーズン。今シーズン、ホークスの若手は始めて自分たちが活躍しなければチームが勝てない*2事態に直面したのです。ある意味で若手野手の育成はほぼ今シーズンから始められたと言っても過言では無いくらいだと思っています。なんというか見ていて経験の無さというのがジワジワと見て取れるような青い若手共になんど罵声を飛ばしたことか(苦笑)


結局のところ、何が言いたいかといえば今シーズンの打撃成績が伸び悩むのは当たり前で仕方のないことだということです。本来ならばもっと緩やかに行われるはずの戦力交代を半分くらい一片に行わなければならない事態なのですから。

まあそんなシーズンでしたので負けた理由は間違いなくここにあると言わざるを得ませんがだからと言って責める気にもあんまりならなかったというあたりでひとつ。その上で目に付いたところをいくつかかいつまんでおきましょう。

まずその若手組。本多はやや荒削りながらよい守備の素質を見せてくれました、これからの成長に期待するところ。また田上は早急にコンバートを考えるべきです、どうにも捕手の位置は山崎が抑えそうですから、あと彼にはもう少しの長打力を期待。それとやはり一番期待しているのは松田、1年ほぼ2軍で育てられてどこまで出来るようになっているか、楽しみにしておきます。まあ他の方々もこれをチャンスと

で、スタメン組の評価としてまず丸を付けられるのが大村、川粼の1、2番コンビ。川粼はちゃんと3割に乗せてくれたし大村センセはチャンスで一番回ってきて欲しかった素晴らしい得点圏打率w 無論ちゃんと出塁もしてくれますし。ここに長打というかHRを望むのは間違い切っているので一切文句はございません。
次に松中、ズレータ。まあHR数がちょっと少ないのは予想外ですがまあこんなものといえばこんなもの。城島が抜けてしまった分、個々にかかるプレッシャーも高いし特に松中への執拗なマークはその阿呆みたいな出塁率に現れているのでここは周りを打てるバッターの成長を待つしかないところと思っています。
最後に柴原、ちょっとばかり物足りないと言うか相変わらずどこか安定しないと言うか。99年にはむしろ一番頼りになるバッターである向きすらあったのにこの成績はちょっと哀しい。せめて2割8分くらいは打って欲しい選手かと。


まあおおよそはこんなところ。結局、3番打者がきっちり仕事を果たさなければ松中の打点は伸びないしそれ以前に歩かせぎみに勝負されるケースが増える。6番くらいまで打線に厚みが無いとやっぱり結構安易に歩かされてしまうってことであと2、3年くらいかけて若手がどっしりと成長するのを待つべきだと思っております。よって、チームの悲愴ちっくなムードを変える意味も込めて小久保さんの復帰まではよしとしつつ、あんまり安易な補強に頼るよりも若手をきっちり育てていって欲しいかな?と思うのが来シーズンへの感想、もうしばらくは安泰っぽい投手陣に頼れば今シーズンくらいの戦いは出来そうですからね。

チームが強いのは喜ばしいことながら、強いチームを愛でるだけがファンの楽しみとは言えぬでしょう。最低2、3年、下手したらこの先しばらく、ゆるりと待ちましょう。井口や松中が育っていくのを見守ったように、川粼の台頭を喜んだように、魅力ある野手が育ちつつあるところを見られるのを楽しみにしております。

*1:あくまで野手の

*2:個々のゲームはともかくシーズン全体としての勝利、ね