現代従者学概論・その1


さてさて、ダブルクロス3rdルールブック2の発売からも半月ほど経過いたしました。めでたくその間、1度GMをやらせていただく機会に恵まれ次はまた半月後を待つばかりでございます。

で。本日ですが人づてにブラムの“従者”こと≪赤色の従者≫の(PCでの)扱い方がよく分からない、とのことを聞きまして。そのときは所詮コンセプトを絞らないといけないのは他のシンドロームも同じと流したのですが、まあどうせブラム愛好家としては後学にもなりますしせっかくの話の種、趣味全開で“従者”を扱う上での主な構築のパターン、強みや弱みなどを適当に考えてみよう、と言う趣旨で何回かに分けてダラダラと書いてみようと思う次第。

なお、当記事はいまさら“従者”の良さを布教するコーナーでもなければルルブの内容を細かく解説するコーナーでもないので、基本3rdのルルブ2がお手元にあることを前提に書かせていただきます、あしからず。




なお例によってというか当然のことながらBOSSの従者使いとは比較できないことを一応明言しておきます。BOSSは基本的に使えるリソースに制限なんかありませんからね。逆に言えばこうしてコンセプトを突きつめて構築する楽しみはPCの特権というわけです。


メリット&デメリット

ではまずは根本。ここを抑えておかないとコンセプトの作りようがございません。


とはいえ≪赤色の従者≫のメリットは明確です。それは味方ユニットの数が増えること、もう一歩踏み込むなら“使い捨てにしていい”ユニットの獲得と言えましょうか。オフェンス面における手数増大に関しては論を持たないところ、特に2ndアクションが廃止された3rdではさらに一手番の価値は上がっているとさえいえます。
ディフェンス面においてはHP0になってもある意味で構わないカバーリング要員としての価値。あるいは機動力を鍛えておいて敵の足止めなどに使うことが上げられるでしょうか。まあ枝葉に応用の仕方はありますが何より1回カバーリングによる攻撃回避が見込めることは大いにディフェンス的な価値であるといえます*1


デメリットは何と言ってもまずエフェクト数を圧迫してしまうこと。これは便利に従者を扱おうと思えば思うほど各種エフェクトが欲しくなりそういった傾向が強まります。
それにしたがって“従者”あるいは本体の行動にかけられる経験点的リソースは必然減少します。また複数行動の侵食率をひとりのPCが払わなければなりませんし、いくつかの要因*2から慢性的にダイス数の伸び悩みに悩まされがちになることも容易に想定されます。
ぶっちゃけた話、従者使いの攻撃ないし行動は手数は多くても一発は大した事が無いという傾向になりがちなのです。ガードにせよドッジにせよ少し齧ったBOSSを相手に無駄に近い攻撃を繰り返すだけではせっかくの手数も無意味です。また一旦倒されてしまうとリカバリーが一切効かないのもかけたりソースを考えると当然憂慮すべきリスクであると言えます。
……ま、最悪1回カバーリングしてくれればいいと割り切るならこんな悩みとは無縁なのですがねw

コンセプト設計・序論

というわけで従者使いとはそれ自体がまず結構ピーキーなコンセプトです。正確にはしっかりコンセプトを組まないと迷走しやすいと申しましょうか。特に一度落とされたら終わりである以上、“どこでその従者が落ちるか”というわりかしシビアな想定をしておくことをお勧めします。逆説的に言えば“どこまでその従者を持たせるか”でもあり、ディフェンス面にどれくらい少ないリソースを割くかという問題に発展します。

で、従者使いに関しては欲しいエフェクトがあったならトライブリードを選択する事を推奨します。エフェクト数とコンセプトの維持に一杯一杯な従者使いにとって100%の切り札エフェクトだとか、最大レベルまでエフェクトLvを伸ばすとか、かなり贅沢な選択ですからね、もちろんきちんと組んだコンセプトの結果それらを選択する事を否定するわけではありませんが、比較的トライは選択しやすいと思います。


まあともあれまずはシンドロームのひとつにブラムを選択。≪赤色の従者≫を取ることまでは前提ですw そしてコンセプトにあわせてメジャーアクション用のメインエフェクトをひとつ得るところも確定。したがって初期ならコンストラクションで2枠、フルスクでさらに1〜2枠*3が現実的なコンセプト設計のために使えるエフェクト枠になるわけです。ま、フルスクならやろうと思えば本体の能力を削りに削ってさらにもう1〜2枠得ることも可能と言えば可能ですがね。
こうして得られた数少ない枠を駆使して自分なりの従者使いを構築するわけです。どうせ次回でも書きますがくれぐれもコンセプトは絞るように。PCの従者使いは万能とは対極なピーキー生物である事を肝に銘じる事を推奨します。


なお残り少ない枠で大変キツイですが出した従者をシナリオ持続させる≪血の絆≫も取得しておくことをお勧めします。特に手数を増やしたい目的で従者に手を出す方、せっかく手数を増やしても出すのに自分の1行動使い、かつその従者は[行動済]スタートってのはもったいないですからね。




…………ま、よくよく考えてみると迷走とかする以前に使えるエフェクト数が少なすぎますなw それだけにコンセプトを打ち立てる際にどのようにエフェクト取得するかは考えどころであり、面白そうな点ですね。次回はそのあたりから具体的な方向性の模索、コンセプト例の発案など書いてみたいと思います。

半端ですが今日はここまでで。

*1:余談ですがボクはルルブ1でトループのカバーリングにエネミー専用エフェクトが必要になった時点で従者も同じ道を辿ると思ったのですがねw

*2:上記のようにダイスボーナスにエフェクトを回し難い、そもそも従者のデフォ能力は低め、その間本体の行動にもダイスペナ

*3:ボクの標準になりつつある30経験点スタート&コンストラクションで最大4枠