自分のGMスタイルとか


数日前にyakusiクンが書いた内容が興味深かったのでちょっと自分の場合とか色々思い出して書き留めてみる。参考までに彼の記事なぞ。

マスタリングスタイルについての話 - 月影之薬師堂

彼も自分で書いていますが壮絶に独り言というか割と自分向けと言うか。たちの悪いことにおそらく彼のそれよりも自身への問題意識が低めなのでさらに読む価値は低いという……読後の苦情は受け付けない方向でw


あんまりこういう“自己分析”が得意な方ではありませんが差し当たって自分のマスタリングに関して記述してみることから始めましょう。



思い返すと*1私は多分にGMとしては異端なような気がします。
まず基本的に“シナリオ”を初期段階で作りきることはありません。そのためにセッション中にシナリオが変動する余地と要素を多分に孕み、よくPLの提案や挙動*2、PCの設定などによってあるいはセッション中の自分自身の思いつきによってあっさりとそしてこっそりとその場でシナリオを書き換えます。
GMとして絶対に変えてはいけないとまで言えるのはそのシナリオのテーマ、コンセプトとそれに基づく雰囲気、そしてあらゆる意味でのセッション中のレギュレーション*3くらいというように考えていると思われます。
逆に言えばそれほど自分の作ったシナリオにプライドや拘りを持たず(あるいは持てず)やり口は常にポーカーフェイスに隠して内心綱渡りw おそらく他人にセッションの計画書を渡したところで良くてその方にとってはフックくらいの内容しか見出せない恐れがあり、自分で二度目をやったとしてもPL、PCなどの条件の変化によってセッションは一度目とはかけ離れたものに移行することは請け合いです。
長所としてはコンセンサスが得られる(得やすい)PLさんにとっては特に自分の望む展開、自PCに上手くはまった美味しいシチュになりやすく、上手くいけば予め定められた予定をぶっちぎってその場に集まったPL、PCならびにGMにとって最適、最高の物語に昇華することが出来ること。抽象的に例えるならば予め用意するのはキャンバスとテーマ、モチーフだけで絵の具や筆、構図はその場に集まってくれたPLさんが投げてくれたものを使用する、みたいな……わかりにくいか(苦笑)
逆に短所はそのまま裏返しで、用意されたものをきっちり定められたように描くのではないが故にその時の自分のコンディション、PLさん達の性質などによってセッションの出来が大きく左右されてしまうようなところ。つまりは自分の調子がよく、また集まってくれたPL、PCの出来*4が良いと素晴らしいセッションに出来るが逆に今ひとつコンセンサスが合い難いような面子だと予めちゃんと決めたシナリオを超えることは出来ないというかむしろ大きく下回るような点。
結局のところ、何が一番問題かといえばこんな綱渡りな手法を取っていながら何の因果か、微妙な要領の良さかは知りませんが決定的にセッションを破綻させたことがないせいでしょう(苦笑)おおよそそんな感じな自分のマスタリングというかGM。



こういうスタイルで固まってしまったのは大体3年半くらい前の頃でしょうか。
休日になるたび、ひとつ下と同学年の女の子お二方にしきりにセッションをお願いされていたのです、それに応え続け時には依頼から30分でシナリオを仕上げ回したこともあったと記憶しています。非常にアレなことを申しますがこれが可愛げの無い野郎なら「や、出来るまでもうちっとかかる。細部を詰める時間を寄越せ、ってかたまにはてめぇの方こそ立てろ」とにべもなく突っぱねたでしょうが、私も何だかんだで野郎でございます(ぉ
しかも自分のGMに好評をいただき期待されているという素晴らしい状況、無理をするなというほうが無理というものw ま、ともあれお二人は非常に良いPLさんで*5非常に良質のPCを持ちキャラとして気に入っているという状況でした*6
つまりは上記述べたような自分のマスタリングスタイルにとって最適に近い人材と言いますか、セッションの進行には協力的でロールも上手く、魅力的でありながらなおかつ“理解しやすい”PCと*7。公式の既存シナリオとか一切使わなかったのはその“お気に入り”のキャラを使ってもらいたかったからであったり、なにやらせっかく自分の“GM”を評価していただいているのだからという多少の自惚れがきっかけだったと思います。ですが無茶を通して多少不完全でも自作シナリオでのセッションを続けるうちに『むしろ自分ひとりで完成させたストーリーなんかよりも完全に作りこまず彼女らのやりたい方向やら発想とすり合わせその場でイベントやら展開やらを後だしで考えてストーリーに纏めた方がより楽しい』と考えるようになって今のスタイルの基礎が出来始め、それで実際に非常に楽しかったので段々エスカレートして洗練させていったのだと思われます。
参考までにこの“後だし”に関する部分が自分でもセッションの繰り返しで体験的に身に付けて行ったと言うか、そもそも自分に出来る事の方法論を他人に説明するの蝶☆苦手♪とかそういう理由で“ちょっと異端っぽいかな?”と自分でも思うあたり。




自分で考える分には大体こんなルーツでスタイルしょうか。現在進行的な課題として

  • それでも予め“予定”として*8作りこんでおくに越したことは無い部分とそうでもない部分との境界を見切ること
  • 特に自分の脳内で動かす以上、気付かないうちに演出・イベントパターンがマンネリ化しないように“引き出し”の数は常に増やし続けるよう努力すること
  • 性質上よほどちゃんと意識しないと時間管理が破綻するのでもっと冷静にマインドセットできる様にすること
  • 性質上特にミドルでのシステム的なギミックを設け難いので上手く作れる部分は作って色々考えられるようにすること


結論としてyakusiクンの記事を読んでなんかルーツが綺麗に対称になっているような気がしたのですよ。そういったところで上を見てみて到ったおおよその共通項が「変えてよくなる場所」と「変えるべきでは無い場所」の見切りというあたりこれは本当に意識した方がいいところのような気がする、という感じで。


……しかし1年、半年といわず1日後には後悔しそうな内容だなぁ、自分(苦笑)

*1:あるいは他人のそれと比較すると

*2:どんなことをやりたがっているか、どんな演出にしたがっていそうか、とかそういうものの先読みめいたもの?

*3:データの問題だけではなく、な

*4:というか相性かな、結局“描く”のは自分だし上手くインスピレーションにはまるのが重要っぽい

*5:参考までにもう1人PLとして付き合っていたのが山鳥先輩ねw

*6:参考ながらシステムは私の愛するダブルクロス

*7:しかもまたPC間の絡みが濃くてこなれていること、今思い返しても最高ランクの環境でしたな

*8:つまり必要ならあっさり崩すという意味(ぉ