Guilty Pain「05:Sleeping My girl」

先に断っておきます。約一名悲劇的な結末を迎える形となりましたが、私個人としてはこのキャンペーンそのものに関しては大筋で成功、むしろ大成功だった手ごたえを感じております。いくつか新しいことを試してみようと企画し、身内で出来るということでさらにいくつか要素を加えていらない部分は削ぎ落とし…と加工して非常に上手く取り回し、纏めることが出来たと自負しています。
ただ一点この最終回のことだけではなく、全体的に思い返してみて非常に自身の至らないというよりいっそ忌々しい部分を確認して、セッションの後時間をかけて反芻するごとに自己嫌悪分が溜まっていったような…何言ってるかわからないような気もしますけどそんな感じです。

ともあれ参加していただいたPLの皆様には一切の責任はなく、またこちらの投げたやや難しいかとも思われるボール*1を上手く、こちらの期待以上のクオリティで投げ返してくれる素晴らしいPLぶりにGMとして本当に感謝の極みです、本当にありがとう。

……では前フリはこの辺にしてきりきり本編の反省に移ろうと思います。

有馬勇
(モルフェウス/ノイマン ワークス/カヴァー:高校生/高校生 17・♂)
遂にラスト、なんだか山鳥先生のPC1っぷりが神域に近づいていたような気がします。素晴らしい演技、素晴らしいPC1っぷりでした。ただ、なんというか非常に上手かったのですが同時にPC1は上手くできても心の底から楽しめるポジションじゃないのかもなぁ、という感想も。次の機会があれば心行くまで脇役を満喫してくだされば、と思います。本当にありがとう、いいPC1でした。
葵天音
(エンジェルハイロゥ/エグザイル ワークス/カヴァー:ビジネスマン/高校生 16・♂)
何と言うか……すまん(詳細は下記)。ラストのシーンは死にor堕ちフラグを立てる場面をはじめ、ワタワタと早月ちゃんや周りの人に振り回されるような場面やら、くだらないことで騒いでる場面やら、格好よく決めているシーンやら、心底悩んでいるシーンやら…色んな場面が頭に浮かんで来て実はこっそりと泣きそうでした。ありがとう、本当にごめん。今度の機会が許されれば、ハッピーエンドにして見せたいと思います。
叶絵真紀
(ブラム=ストーカー/バロール ワークス/カヴァー:セルリーダー/保険医 25・♀)
何と言うかtatariクンは上手いとしかいいようがございません。無論、F・Hの人間とかキャンペーンでやらせてみたらとかいう興味で難しい立ち位置用意したのは確信犯ですがそれでもここまで上手くやってくれるというのは予想外でした。キャラが徐々に変わっていくことが、深い設定と丹念な演出によって自然な説得力を持っていたように思います。PC3という立場上、自然とこちらから投げるものは少なめでしたがそれをものともしない存在感。ありがとう、結果論だけど君がPC3やってくれてよかったです。
  • シナリオの流れはほぼ一本道。前回、巨大生物に取り込まれた後の不思議空間で過去に取り込まれたはずの人たちと出会って話したり、力を借りたりする中で脱出の手がかりを探っていくという方式。それが終わったら直線でその巨大生物とラストバトルです。
  • 流れは一本道、けれどただイベントを消化するだけではつまらないと仕掛けを用意しました。この空間で人に逢うにはロイスを結ぶ必要があり、故に当然上限がある。逢った人間にはラスボス戦を戦う上でそれぞれボーナスが付属している。というようなもので特に中途のボーナスのひとつでラスボスのデータをゲットした直後の皆の悩みっぷりは中々見ていて面白かったです(腐)しかしどうなのでしょう?個人的には下手したら単調になってしまう決戦前に上手く刺激を与える目的でこういうことやってみたのですが。やっぱり会いたかったのに会えなくて不満だった人とか居ますかね?一応、そのへんギリギリのバランスを考えたつもりなのですが。
  • ともあれこういう演出の素材としては無地に近いようなものは、PLさんたちそれぞれの個性が出てよいですね。個人的には天音クンが母親と逢うシーン、真紀さんが郁美と会話するシーンなんかが特に気に入ったものでしょうか。
  • で、外に残った面々がピンチを迎える中で脱出してくるPC達!どーでもいいけどいやに喜々としてNPCのピンチを演出するね、君らw
  • そのまま、話したいことは色々あるけれど今は目の前の…というノリで二言三言交わしただけでPC達は再び戦場に降り立つ。という感じでラストバトルです。もとより上記のボーナスがなければ様々な反則技を駆使して強くなったPC達と言えど瞬殺するような勢いのデータ、しかも下手に敵のデータを知らせただけにもうGMとしてもこっそり手加減という最終外道手段すら放棄、戦いは壮絶で激しいものとなりました。
  • 一番の決め手は侵食率周りでボーナスを貰った勇君の≪ラストアクション≫だったかな、やっぱりノイマン忌々しいなぁと感じた瞬間でもありました。とはいえ散々な死闘の末に遂に勇君の≪ラストアクション≫がラスボスに最後の一撃を与えるのでした。
  • PLさんたちの安堵のためいき、そして自律判定…あとは華々しくエンディングの算段と行きたいところですがそうは問屋が卸さない。

天音クン、
ロイス4つで侵食率163。

期待値は3倍振りで66、一応全開で振れば期待値的には戻ってこれますね、まあ期待値なんてものを素直に信じられるトーシロはもはやこの場には居ない訳ですが。運命のダイスロール、すでに帰還を確定させた他の二人とGMが固唾を飲んで見守る中、黒いダイスが宙を舞います……結果は















葵天音、
最終回エンディング直前にて
ジャーム化。




実は倍の8個の時点で出目が凄まじく悪く、残り4つで1個平均8出してもアウトという凄まじい状況だったためになんだか前もってじんわりと堕ちたという事実が染み渡っていくなんとも言えない空気でした。一応、この結果は本人がちょっと残りロイスの数を勘違いして景気良くタイタスを使ってしまったためとも言えます。パッと見、彼の純粋なミスであるのですが、まあそれだけとは言い切れず……とまれそれに関してはまた下で反省を。

  • それはそれ、おあつらえ向きにすでに堕ちフラグは立ててあるあと*2エンディング、スタートです。
  • PC達は全員昏倒状態((周囲にすでに敵はなく、味方NPCは豊富に居るためにそれでいいと裁定しております))落ちかける意識の中で勇君に最後の選択が。ようは巨大生物と一緒に消えてしまうソムニアの少女達のことで、少女達をそのまま消えるに任せる代わりに自分はオーヴァードでないただの人間に戻って日常に帰るか、力を手にして少女達の命を救い代わりに戻りようの無い化け物へと変わってしまうかという選択。これまで日常に帰ることを望んできた勇君は随分悩まれたようですが結局、多大なリスクを払いながらもソムニアの少女達を助ける方を選びました。
  • 真紀さんのエンディング、キャンペーン中ずっと傍に置いてきた直美ちゃんとの別れ。変わったかも変えられるかもしれないところ、それでも変わらない変えようのないところ、結局叶絵真紀は“夜”に戻っていきました。何と言うかtatariクンの長台詞が冴え渡ります、よくもまああんなにペラペラとノンストップで話し続けられるものです、お疲れ様でした。真紀さんだけは経験点さえ許せば別の場所でも活躍できますよ、きっとw
  • 先に勇君のエンディング、ひとりだけ家族が増えて、不穏な世界の真実と歪な力を抱えながらもそれでも日常を過ごす勇。ちょっとストレス与えすぎたせいか黒というより壊れかかったジョーク*3が飛び出すように……すいません、お疲れ様です。PC1に行ったのはじゃんけんの結果ですが中途もうちょっと考慮してあげればよかったかもしれませんね。私は非常に好きなのですがちょっとPLとPCにかかるストレスの負荷を上げすぎてしまったようなところがあったような気がします、申し訳ない。
  • もっと申し訳ない天音クンのエンド、無論こうなったからには全力持って早月ちゃんとの別れを演出する所存!私は良く知らんがヨシュアコンボなる王道技*4を喰らいましたw 落ちる意識を支えて必死に言葉をかける早月、それを背に振り切ってビルから夜に堕ちていく天音。今までの想い出が走馬灯のように廻っていって、涙が一滴だけ中空に置いていかれる……せ、せつない(泣)上でも書きましたが割と真剣に泣きそうになりました、こういう切ないの自分は大好きです。
  • 最後に日常に過ごす勇を見送ってソムニアのエアリオとカスカが何処へともなく旅立つシーンをやってエンディングテーマを流す。結構駆け足でしたが本キャンペーンGuilty Painもこれにて終了でございます。


まず不思議空間で死んだと思っていた色々な人に逢って…というのはキャンペーン当初からというかキャンペーン始めようと思ったときに根幹にあったネタでして、これが上手く回せた(少なくとも自分としては)のは非常によかったです。
また今回、実際の内容はほとんどラスボス戦だけとはいえ急遽のスケジュール問題に対応して時間管理を徹底してシミュレートする羽目になりましたが、結果として余裕を見て終わることが出来て満足しております。

キャンペーン全体の総括は明日に回そうと思ったのですがひとつだけ。

ひとつだけ気がかりというか思い返して非常によくないと思ったのは戦闘のバランスに関してです。ダブルクロスは戦闘に勝てばそれで万事よしというシステムではありません。勝利に費やした侵食率はそのままジャーム化の危険を伴いPLの経験点を脅かします。
そんな中、今回を含めて思い起こせば思い起こすほどトンデモナイバランスで戦闘を組んでしまったものと、冒頭に書きました自己嫌悪の内容がそれにございます。確かに天音クンが堕ちた直接の原因はPLのミスかもしれません。ですがこれまでの戦闘も相当に厳しいものでひとつミスれば、ひとつ事故れば簡単にリカバリー無しでジャーム化してしまう戦闘がほとんどでした。これはほとんど未必の殺意と言っても良いものです、こんなデッドリーな戦闘を続けていればそのうちどこかでミスるor事故ってジャーム化することは必然だったと言えるでしょう。
正直に思い返せば、長くダブルクロスのGMを続けていくうちにどこかでPLの気分、気持ちを忘れ無意識にジャーム化するエンドをやらせてみたいというような嫌な欲求があったような気がします。断っておけば、別にジャーム化エンドそのものが気分悪いものだったとは今でも思いません、多少自分でも酷いとも思いますがダブルクロスというのはそういうゲームだと思いますし事実天音クンのエンドは泣きそうになるほどいいシーンだったと思います。自分はそういうエンドも大好きです*5ただその過程においてGMから半ばの無意識を持ってジャーム化という結末を半強制したような形になってしまっていたことに気付いて、凄い気分が悪くなったのです。ある意味でどうしてもジャーム化したくないならダブルクロスで遊ぶべきではないとすら思います。*6ですが逆にGMに強制されてジャーム化させられたらと思うとどうでしょう?ここまで言うと言いすぎでしょうが、厳しすぎる戦闘というものがそういう側面を孕んでいるということです。今回のキャンペーンでの(あるいは以前からのダブルクロスのシナリオでも)一連の戦闘はそういうどうしようもないデッドラインをかすめ続ける厳しいものにしてしまいました。それらが経験点の減少と共にPLにストレスを与え続けるだけのものと成り果てた上に今回の結末を迎えたと思うと強い自己嫌悪を覚えると共にPLの皆様に申し訳ない気持ちで一杯になります。


……ちょっと長くなりました。金曜夜半〜土曜明け方くらいは実はしばらくGMしたくないと思うほど鬱って眠れませんでしたが(そのせいで例会参加できませんでしたが)、思い起こしてみればそれはそれとして自分の仕掛けで成功した部分は確かにいくつもあって、全体として結果論とはいえセッションが崩壊したわけでもなく、PLの皆様の協力もあって非常に楽しい時間を過ごせたキャンペーンだったと私は思います。

やっぱりそれでもキャンペーンは良いものです、身内の環境でキャンペーンGM回すのは本当に久しぶりでしたが楽しかったです。気を取り直して、主に新規に試みたことの成否や全体としての感想、反省など明日の日記で纏めてみたいと思います。

*1:この場合PCが置かれるシチュであったり裏設定であったり立場であったり

*2:ちょっと個人的に聞いてみたいのですが、ひょっとしてあの時点ですでにどこかで事故ってしまうことを予測されていたのでしょうか、薬師先生?

*3:PL発言とも言う

*4:空の軌跡のキャラらしい、睡眠薬を飲ませてヒロインを眠らせるってのはそれに限らず王道だと思う、私のPCも昔やった…女性PCで恋人の男の子にw

*5:別にハッピーエンドを否定するつもりは毛頭ありませんよ、念のため

*6:あるいはシステム違いでどうしても[殺戮者]になりたくないでも可